2017.10.10
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#SHEROS ON SCREEN : Wonder Woman 映画「ワンダーウーマン」

“SHEROS”というコンセプトに、これほど合致するキャラクターがいるでしょうか。

2017年春、アメリカをはじめ世界各地で公開された映画『ワンダーウーマン』は、「女性アクションはウケない」「女性の撮る作品は儲からない」というハリウッドの常識をぶち壊して大ヒットを記録しました。興行収入8億ドル(2017年9月現在)という、女性映画監督の作品としては史上最高の額を叩き出しています。

© 2017 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC AND PATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

STORY

ワンダーウーマンが生まれたのは、女性だけが暮らすパラダイス島。ダイアナ(ワンダーウーマン)はその島のプリンセスだった。ある日、不時着したアメリカ人パイロットを助けたことから、外の世界で戦争が起きていることを知る。彼女は自身の力で「世界を救いたい」と強く願い、二度と戻れないと知りながら故郷をあとにする……。そんな彼女は、初めての世界で何を見て、何のために戦い、そして、なぜ戦士へとなったのか!?

 

 

アメコミの巨塔・DCコミックスが誇る女性スーパーヒーロー「ワンダーウーマン」ことダイアナは、女性だけの戦士の一族・アマゾン族の女王の娘として育ち、正義と平和を守るために人間の世界へやってきたプリンセス。1941年に誕生して以来、アメリカでもっとも愛されてきたキャラクターのひとりです。

 

もちろんこれまでも、アニメやドラマなどで、ダイアナの姿は様々に描かれてきました(70年代、リンダ・カーターによって演じられたドラマが有名です)。それでも、はじめての実写映画化にこれだけの時間がかかった背景には、ハリウッドの常識だけでなく、良くも悪くも「強い女性」のアイコンとして、多くを背負わされてきた歴史の重さがあります。

 

1972年、女性解放を目指した雑誌「Ms.」がアメリカで創刊された際、彼女はその表紙を飾りました。けれどもその後、フェミニズム運動の中で「あんな胸の大きい、肌を露出した白人女性のキャラクターなんて、男性の欲望を反映したピンナップガールにすぎない」というバッシングを受けたことも。

 

75 Years, 75 Wonder Women

 

2011年に放送されるはずだったテレビドラマ版でも、コスチュームに対するネガティブな評判が影響したと言われています(どんなものだったかは……検索してみてください)。2016年、国連が女性をエンパワメントするための名誉大使に任命されたのち、わずか2ヶ月で解任された際も、同じことが言われました。

 

けれども今回の映画を最後に、今後、そういった誤解はなくなるかもしれません。映画『ワンダーウーマン』でダイアナを演じるのは、「世界で最も美しい顔100人」第2位にも選出された女優、ガル・ガドット。彼女のチャーミングな笑顔と、かすれ気味のハスキーボイスのギャップ、そして何より戦う姿の美しさを目にしたあとでは、上記のような批判は意味をなくします。それは、「美しい」ということは男性の欲望と関わりなく独立した価値であり、主体的に獲得されるものだということを感じることができるから。

© 2017 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC AND PATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 

大ヒットを受けて、早くも続編『ワンダーウーマン2(仮題)』の製作がアナウンスされたばかりですが、今年の11月末には、バットマンをはじめとしたDCコミックのヒーローたちが一堂に会する『ジャスティス・リーグ』の公開も控えています。想定以上のダイアナ人気に、彼女のシーンを増やすための撮り直しが多く発生したという、こちらでの活躍も気になるところ。

 

アメコミはこれまでも、その時代ごとの世相を反映したヒーローを生み出し、ヒットさせてきました(たとえば、DCコミックスのライバルであるマーベルが、数年前に「ミズ・マーベル」をムスリムの少女にしたように)。元祖・女性ヒーローである『ワンダーウーマン』のヒットと、続く『ジャスティス・リーグ』での活躍が教えてくれるのは、女性は男性と同じように戦える存在であり、そしてその戦いは当然、単純な男女の対立でもないという事実です。その上で、自分は何と戦うべきなのか? 一人でも多くの女性が本作に触れて、それぞれの答えを見つけてくれることを、願ってやみません。

 

kanamelfrappuccino

Writer:kanamelfrappuccino

プランナー/編集者。東京生まれ。フェミニズムやDIYカルチャー、テクノロジーの領域をベースに、コミュニケーションとアイディアの仕事をしています。趣味は昼寝、読書、刺繍。

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