2018.04.05
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道はない。答えもない。それでも歩き続ける~SHEROSを探して vol.1

UCAUCA2号

新しい時代の生き方を模索する連載「SHEROSを探して」

プロローグ わたしたちはどう変わるべきか?どう生きるべきなのか?

 

 

のびのびと朗らかに生きていく―そのために必要なこと、大切なことを考える。女性の生き方に焦点を当てたリトルプレス「UCAUCA(うかうか)」の2号が、今年3月に刊行された。テーマは、「女子後の生き方」。

女性だからこそ突き当たる問題をやわらかな視点で切り取りインタビューを重ねている。編集者、吉原美穂さんと、長谷川未緒さんにお話を伺った。

 

 

(Writer : 清藤 千秋)

吉原美穂さん(左)、長谷川未緒さん(右)

長谷川さんと吉原さんは、長く編集者として活躍し、2012年ごろから雑誌、「UCAUCA」の構想を練り始めた。

日常のふとしたお喋りの中で、「なんか、生きづらくない?」という疑問が持ち上がったのがきっかけだ。

2016年の5月に「子どもをうむこと・うまないことーほんとにきいてみたいこと」をテーマに第1号を刊行した。詩人で社会学者の水無田気流さん、フードコーディネーターの根本きこさんなど、様々な人に意見を聞き、考える、という等身大の編集がとても魅力的だ。

 

そして今年の3月、待望の第2号が刊行された。特集は、「女子後の生き方」。

「若いこと」が女性の重要な価値の一つとして位置づけられることがまだまだ根強い日本で、「女子」と呼ばれる時代を通り過ぎた女性はどのように生きていけばいいのか?

 

――生きたいように生きればいいんだよ!

 

・・・に、決まっているのだが、胸を張って自信を持てないのはなんでだろう?言いようのない不満、もやもやが胸に立ち込めるのはなんでだろう?

「UCAUCA」2号では、どこかにあるかもしれない自分にとっての正解を探し求める、吉原さんと長谷川さんの探求を追体験するようでとても楽しく読み進めることができる。

 

服は何を着ればいいの?老眼が進んできて・・・どんな眼鏡が似合う?音楽は何を聴けばいいの?姿勢はどうしたらいい?

 

どれもこれも、おもわず共感してしまうトピックばかり。

美術史家の金沢百枝さん、ガラス作家のイイノナホさん、フランス文学エージェントのコリーヌ・カンタンさん、さらにファッションデザイナーの山瀬公子さんなど様々なジャンルで活躍する女性たちが登場し、「女子後」とは謳っているけれど、もちろん絶賛「女子」の時代を謳歌している女性たちにも手に取っていただきたい骨太な内容に仕上がっている。

 

「1号、2号を通じて色んな人に取材をしてきましたが、自分がどうありたいか、どう生きたいか、ということは、誰も教えてくれないし、ほんとうに、自分で決めて生きていかなければいけないんだな、と思いました」

長谷川未緒さん

長谷川さんはそう強調した。

 

「UCAUCA」2号において、全編を通して重要になってくるテーマは「自由」だ。

女だからこうしなければいけない(あるいは、男だからこうしなければいけない)、という社会通念や、世間一般の目には見えないプレッシャーから、どのようにしたらわたしたちは自由になれるのか。

長谷川さんの言う通り、自由であるということは、すべてを自分で決めることができるということ。でも、同時にその決定に対する責任も自分で負うことが求められるし、なにより自分で全部を決めなければいけないという状況は、けっこう面倒くさいものだ!

 

「あんなに求めていたはずの自由なのに・・・そうか、自由だからわたし、生きづらいんだ、と気づきました。髪型ひとつとっても、眼鏡ひとつとっても、自分で決めていくしかない。その覚悟を決めるのが『女子後の生き方』なのかな、と思いました。」

 

そして、吉原さんも、「自由」であることの難しさについて語ってくれた。

吉原美穂さん

「たとえば、身近な例でいうと今話題にもなっている夫婦別姓の件がありますが、姓を変えずに事実婚を選ぶとしたら現状とっても大変ですよね。いちいち『別姓です』と説明しなきゃいけないとか、子供が生まれたら届出が複雑でたいへんな労力をこうむったりとか。法でまず認められていないわけですから。

結婚して子供がいて、というような社会が認める幸せの形に、『乗らない』と宣言することは、いまだに相当な勇気と覚悟がいる。いちいち抗う必要がありますから、体力も気力もいりますよね」

 

その体力、気力をあまり使わずに済むような社会――どんな生き方を選択する人がいても、それぞれが認め合える社会を、作っていくための一助となったら。「UCAUCA」にはそんな願いが込められている。

 

「『女性だから不利益をこうむっている』なんて、思いたくもないし気づきたくもないひともいらっしゃるでしょう。自分が『幸せ』だと言われているものを手にしている状態であれば、それは『幸せ』に違いないと思っていた方が、楽かもしれません。

わたしたちはなにも、そういう人たちに無理やり、『目を覚ませー!』って言ってまわりたいわけじゃなくて・・・」

 

吉原さんが言うと、長谷川さんもうなずいた。

 

「そう、心のどこかで『あれ?なんかおかしくない?』と思いつつ、どこか生きづらさを感じながら日々を暮らしている人がいたら、そういう人たちの助けになりたいな、と。『わたしもだよ』『ここにいるよ』と言いたいんです」

 

続く第3号の構想も最近持ち上がってきたところだという。

ずばり、テーマは「お金」。

もっと自由になるためには、お金の正体を知る必要がある、と直感した2人。

お金というものはシステムであり、手段であるはずなのに、いつの間にかわたしたちはお金に支配されてしまっていないだろうか。老後までに一千万貯めなければいけないとか、そんな不安に圧迫されてはいないだろうか。

文明社会をすべて捨てて、自給自足の暮らしにシフトチェンジするのもハードルが高い・・・テクノロジーの恩恵も多分に受けている、今のわたしたちの気持ちにフィットするお金との付き合い方を追求する予定だという。

また、1号を刊行したころから、書店や読者からは熱く思いのこもったメッセージが多数寄せられており、「イベントはやらないんですか?」という問い合わせも増えているという。

 

「身の回りにモヤモヤを話せる相手がいなくて、環境によっては、ひとりで悩んでしまっている人もきっといる。たぶん、みなさん、誰かに話したいことがたくさんあるんだと思います」

 

と、吉原さん。

 

2号も無事に刊行されたということもあり、イベントの開催に向けてもこれから構想を練っていく予定だ。

より、心地よい生き方を、自由を求めて。

自分の心の訴えるままに、道なき道をゆく2人。どこかに求める「答え」があるかもしれない。永遠に見つからないままかもしれない。

それでも前を向き、ひたむきに歩まんとする。覚悟を決めた女性の姿はたくましく、しなやかで、そしてやさしい。

吉原美穂さん(左)、長谷川未緒さん(右)

★イベント情報★

UCAUCAおしゃべりの会

4月29(日)15:30〜世田谷区にて

詳細はucaucamagazine@gmail.comへお問い合わせください。

 

★最新情報はこちら★

Twitter https://twitter.com/ucaucamagazine

 

 

【プロフィール】
長谷川未緒(はせがわ・みお)
東京外国語大学卒。出版社勤務を経て、フリーランスに。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。
https://mionoheya.blogspot.jp

 

吉原美穂(よしはら・みほ)
大学卒業後、出版社にて、おもに子どもの本、育児雑誌、ライフスタイル誌を編集してきた。たのしい大人のおしゃれ探求中。

 

 

【「UCAUCA」2号 取扱い書店】
フローモーション(帯広)/ チエノワブックストア(埼玉)/ 往来堂書店(千駄木)/ title(荻窪)/ H.A.Bookstore(蔵前)/ ひるねこBOOKS(谷中)/ Readin’Writin’(田原町)/ ジュンク堂書店池袋本店(池袋)/ B&B(下北沢)/ ウラナイ・トナカイ(南阿佐ヶ谷)/ 青と夜ノ空(吉祥寺)/ 北書店(新潟)/ BOOKS f3(新潟)/ ひらすま書房(富山)/ 栞日(松本)/ ON READING(名古屋)/ 恵文社一乗寺店(京都)/ ホホホ座浄土寺店(京都)/ レティシア書房(京都)/ 清風堂書店(大阪)/ 1003(神戸)/ スロウな本屋(岡山)/ 451ブックス(岡山)/ READAN DEAT(広島)/ uta no tane(徳島) / touca(高松)/ 本屋ルヌガンガ(高松)/ MINOU BOOKS AND CAFE(福岡)/ HACHIJU-ICHI(福岡)/ ブックスキューブリック(福岡)/ カフェユニゾン(沖縄)

 

 

Chiaki Seito

Writer:Chiaki Seito

活動拠点:東京。 H.P.FRANCE 広報

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